べんがら/BENGALA

京都を代表する第一の色は、やはり京町家に見られる「べんがらごうし(紅殻格子)」の色でしょう。インドのベンガル地方の名前を持つこの赤茶の紅殻色は、京町家を特徴づける基本色になっています。

この格子は、縦の桟が詰まる一方で横の桟の間隔が空いていて、家の中が見えにくく、中から外が見えやすいという、いかにも京都的?な特徴を持っています。京町家で見られるべんがらごうしは、その上、格子の形状からその家の職業が分かるようになっていました。

 

べんがらごうしの「べんがら」は、京都では本来の色名を越えて使用されていて、紅殻に松煙(煤)を混ぜた墨色に近い焦茶色を塗装する際にも紅殻塗と呼ばれました。京都の人は派手な紅殻ではなく、煤を混ぜて地味な色調に抑えた「べんがら」を好んだと言われます。さらに、塗料のように厚く塗らずに、「べんがら」を木材に擦り込むことで、繊細な木目を表現するようにしました。そして実際の京町家のべんがらごうしには、圧倒的にこの焦茶色が採用されています

 

京都の街中では、通り名の表示やバス停など、いたるところにべんがら色のバリエーションが見受けられます。京都を代表する繁華街である四条通りはべんがら色に溢れ、視覚障害者誘導ブロックやあのヴィトンの店舗カラーにも使用されています。


●紅殻 8R 3.5/7

●べんがら 10R 2.5/1.5